[机草子]筆記具雑考(その後)ガラスペン

 地井散歩で取り上げられた、入谷の佐瀬工業所製のガラスペンを銀座のITOYAで購入した。
 ガラスペンは小学生の頃、姉が使っていたものをいじくったことがかすかに記憶に残っている。中学に入って、つけペンを使ったことがある。その後、当時500円のPilot製の万年筆を初めて使った。
 ガラスペンは明治35年に風鈴職人の佐々木定次郎氏によって日本で開発された筆記用具で、書き味の滑らかさ、インクの持ちの良さ(1度インクを付けるとハガキ1枚程度書ける)から瞬く間にイタリア・ドイツ・フランス等、世界中に広まっていったそうです。
 文章を書くとき、どんな紙に、誰に、何を、どのように描くかで、都度、筆記具を気分で選んでいる。ガラスペンを使ってみた。万年筆にくらべ、書き味はいまひとつだが、ちょっとレトロで、軸を回しながら書くと線径が微妙に変わる。最近のハイテク筆記具と比べると文字がいかにもアナログ的で楽しい。
 万年筆と異なり、ちょっと水で洗うだけで、いろいろな色のインクを使い分けられるという。インターネットでガラスペンを検索したら、種類の異なるガラスペン、多種のインクを楽しんでいる筆記具オタクがたくさんいる。
 私が買ったものは一番安いセル軸のもので630円だった。佐瀬工業所のHPで紹介されているガラス軸のものは8,000円から15,000円する。セル軸セット(細・中・太のペン先が3本入っている)は1,500円と手ごろだ。プレゼントに良いかもしれない。