講演会「天武・持統朝の諸問題」

 浦和市民会館で開催された上記の講演会に参加した。講師は奈良大学の寺崎保広教授、まだ若い先生だ。講演の演題から、壬申の乱後の、天武から持統に至る間のどろどろとした政権抗争の“諸問題”の話が聞けるものと期待していた。あにはからんや、真面目な、いかにも教科書的な講義で、ほとんど年代記と日本書紀の記述の解説に終始して面白いところが少しもなかった。
 けちな話で恐縮だが、講演参加費は1,000円、この内容だったら、800円前後の新書を読んだ方がましだった。とはいえ、この講演会、100人余りが参加していただろうか。さいたま市で「歴史講演会」として継続して開催されており、この大学の通信講座を受講している方も十数人いた。この講演会も平日の2時からということで、アクティブシニアのみなさんが多く参加していた。歴史好きの人も多いのだろう。皆さん真面目にメモをとりながら聞いていた。
 
 天武・持統前後の歴史は、関裕二、松本清張井沢元彦、遠山美都男等の本を読んだが、いろいろな解釈や説がいりこんでいて、わかりにくいが、面白い。歳のせいか、持統がどういういきさつで天皇になり、どういうことをやってきたのか、藤原不比等とどういう関係だったのかはっきり思い出せない。やはり、こういう歴史は若い時にしっかりと勉強をしておくべきだったと反省する。
 もう一度何冊かを読みなおしてみようと思う。