朝日カルチャー 講演会:「秦の始皇帝」
慶應義塾の文学部教授、桐本東太さんによる「秦の始皇帝」の講演を聴いてきた。一時間半の講演で始皇帝の話が終わるとはとても思えない。どんな話をされるのかと期待していた。始皇帝の出生の話、呂不韋(リョフイ)の愛人との間で生まれたのが始皇帝という話(説)から始まった。皇太后、華陽夫人に呂不韋が宦官と偽って与えた、絶倫男、ロウアイ(漢字変換で出てこない)の話など、初めから、茫洋とした感じの桐本教授の、ちょっととぼけた独特な語り口が、こういう話に余計にユーモアとウィットが添えられ、会場も終始笑いが絶えなかった。
秦の始皇帝のことは、今までにつまみ食い的に読んだ、「史記」や関連歴史書で多少のことは知っているつもりだったが、万里の長城と兵馬俑のことくらいしか記憶に残っていなかった。
今日の話で、
・秦の皇帝になってから、中国全土を5回にわたって巡狩(じゅんし=天皇の巡幸のようなもの)を行ったこと。
・万里の長城は、始皇帝が全て作ったのではなく、既にあった城壁をつなぎ合わせたもの。TVや現在の観光客が行く万里の長城(北京郊外)は、私も30年近く前に行ったことがありますが、これは始皇帝によるものではなく、明代のものである。
・度量衡の統一をした。
・文字の統一をした。
・車軌の統一をした。
・貨幣の統一をした。
・焚書坑儒
等、始皇帝の業績の説明があった。これらの業績についても、その後の歴史家や、時の為政者によって、始皇帝の業績や出生に関しても色々な解釈が成り立つなどの話をしてくれた。
今日の講演は、本で読めば、2,30分の内容かもしれないが、非常に楽しく刺激的で、司馬遷の「史記」や中国の歴史も勉強したいなと思った。