朝日カルチャー特別講座 「津軽三味線の世界」

 
山中信人(のぶと)さんの津軽三味線の講演と演奏を聴いた。まだ34歳とお若いが、最初に楽器としての三味線の仕組みや、チューニング、代表的な曲の、旧節、中節(なかぶし)、新節などの違い、本調子、二上がり、三下がり、などのチューニングの違いなど初めて聴く解説とその実演がわかりやすく新鮮だった。
 津軽三味線は、今まで高橋竹山吉田兄弟を聴いたくらいだが、素晴らしい音楽だと思う。アドリブの要素も多く、私は、津軽三味線は日本のブルースであり、ジャズだと思う。
 三味線の胴にはってある皮は猫とばかり思っていた。津軽三味線用は「けんぴ=犬皮」といって犬の皮をはっていることを初めて知った。ばち、棹(さお)、弦、糸巻き、など、三味線のパーツの話、胴と弦の間に入れて弦をはるための、コマ(駒)というものも、種類があり、これによって弦の響きが異なることも実演で説明してくれた。演奏のテクニックなど、プロの技の奥深さを見せてくれた。
 昔、二番目の姉が三味線を習っていた。それに興味を持ったのか、学生の時にハワイアンのギターをやっていた義兄が、三味線に少しトライしていた。姉はまだ三味線を持っていると思うので、今度姉の所に行った時に、ちょっといじくらせてもらいたくなった。
 津軽三味線の激しく繊細な演奏とは異なるが、新内、義太夫などの三味線も別の味わいがある。
 この年になると、西洋楽器にはない、アナログ楽器の響き、音色が私のDNAに響くのか、強く感性に訴える。日本の音楽教育も、笛、尺八、琴などの演奏を聴かせると共に、和楽器の伝統、歴史などについて、もっと教えるべきではないだろうか。
 
 ともあれ、津軽三味線の演奏を、目の前で見て聴くのは初めてだった。あらためて津軽三味線のすばらしさを味わった。
 山中信人さん、現在は山田流師範として活動しながら、伊藤多喜雄&タキオバンドのメンバーとしても活躍しているという。
 伊藤多喜雄の以下のURLから、山中信人の津軽三味線の演奏のさわりを聴くことも出来る。
 伊藤多喜雄 HP:http://www008.upp.so-net.ne.jp/takio/
 山中信人の演奏: http://www008.upp.so-net.ne.jp/takio/main/main.html
 
 高橋竹山吉田兄弟を聞き直してみたくなった。