神田川の花見

 長男が、神田川のすぐ近くに住んでいる。珍しく桜を見に来ないかと誘われた。長男が生まれてから1年、若いお婆ちゃん代わりに面倒を見てもらった姉を誘い、家人と出かけた。神田川の桜は樹が若く、花も元気よく、たわわに咲いている。昨日の見沼田んぼの素朴な風景の中の桜とは対照的で、都会の桜として、高層ビルを背景に、また違った景色を楽しませてくれた。

 住宅街の中の、花見の穴場になっている。シートを敷いて、花見パーティーをしているグループも、静かに品よく花見を楽しんでいるのもいい。
 神田川は神田近辺を流れる小さい川かと思ったら、井の頭恩賜公園内にある井の頭池に源を発し東へ流れ、台東区中央区墨田区の境界にある両国橋脇で隅田川に合流する川で、流路延長24.6km、流域面積105.0km2と、東京都内における中小河川としては最大規模で、都心を流れているにも拘らず全区間にわたり開渠であることは極めて稀である、ということを今回初めて知った。
 お茶の水の駅の脇を流れる川も神田川だとは知らなかった。かつては「神田上水」を取水し、江戸の水道として利用されていたそうだ。
 神田川といえば、南こうせつの「神田川」を思い出す。私の新婚生活は家に風呂のないアパート暮らしから始まった。すぐ近くに、神田川ならぬ、真間川というのが流れいる。真間川の近くの銭湯によく行った。「神田川」を聞くたびに、歌詞の“石けんカタカタ・・・”の青春時代を思い出す。
 真間川も両岸に桜がきれいに咲いていた。通った小学校も真間小といって、校歌も「桜堤の学舎に・・・」と始まる。
 そういえば、一緒に花見をした姉が、私の小学校の入学式に16歳で母親代わりに来てくれたことも思い出した。
 
 神田川と真間川、私の中では思い出の詰まった川だ。今日の花見は、そんな昔の良き頃を思い出させてくれた。
 今年も無事に花見ができることに感謝! NamoAmitaabha