[机草子]スペイン語とラテン音楽

 スペイン語を勉強し始めてから、そうだ!語学の勉強には歌を覚えるのが効果的だということを思い出した。中学、高校の頃、ラテン音楽をよく聴いていて、トリオ・ロス・パンチョスの歌などは今でも覚えている。「ある恋の物語」(Historia de un amor)などの歌は意味もわからずに歌っていた。この歌の歌詞の意味を調べようと、行きつけの図書館でラテン音楽のCDを借りた。昔懐かしい曲がたくさん入っている。2枚のCDに併せて40曲あまり、曲名の分からないものが多かったが、知らなかったメロディーは2,3曲しかなかった。
 当時の私の家にはレコードも蓄音機もなかった。以前にも書きましたが、私の家は、高級住宅地の魚屋だったので、お得意さんは立派な家に住んでいる方が多かった。しかし、セキュリティーシステムのない時代だったので、お得意さんからよく留守番を頼まれた。そこの家で朝から夕方までの留守番だったろうか、誰にも邪魔されずに静かに勉強もすることができた。当時のお金で500円位いただいただろうか、いい小遣い稼ぎになった。その家のステレオでレコードを聴いてもいいと言われて、何度かいろいろなレコードを聞くことができた。小人閑居して、勉強せず、音楽をもっぱら聴いていた。クラッシックもあったが、ラテン音楽と、タンゴ、スタンダードジャズ等を聴いた印象が強い。中学の頃だったと思うが、その頃聞いたラテンやタンゴは音楽に飢えていたHenryにとっては新鮮だった。その時に聴いたメロディーが今も記憶に残っている。
 私の音楽のインプットは、留守番で聴いたものと、当時のラジオで聴いたP盤アワー、S盤アワーといった番組による所が大である。
 
 高校生になって、勉強する部屋のなかった私に、次姉が一間のアパートに私を呼んでくれた。そのアパートの向かいの部屋の方がかなりの音楽通だった。その方の部屋でもラテン音楽やタンゴなどを聞かせてもらった。その人が言っていたことが忘れられない。「音楽年齢があって、歳をとるにしたがって、ポップスからフォーク(当時あったかな)、ラテンに行く、そこから、ジャズかクラッシックに分かれる」と言う。その頃私はまだJazzには目覚めていなかったが、たくさんの洋画を観てきたので、洋画を通じてJazzには少しづつ接し始めていた。私はラテンからJazzに向かったのだろう。
 久し振りにラテン音楽を40曲ほど聞いて懐かしかったが、Jazzに比べると、今ひとつ物足らない。
 それはともかくとして、カラオケでスペイン語の歌を2,3曲は意味を理解した上で歌えるようにしようと思っている。