「昭和史 松本清張と私」(渡部昇一)

 最近参加した二つの会合で、明治、昭和の歴史に関して、右よりの話を聞く機会があった。私は、中学、高校と社会科もあまり好きでなく、そういう関係の本もほとんど読まずに大学に進み、社会科学関係の本を多少読んだくらいだ。今思うにどちらかというと岩波新書の左翼系の本を読んでいたようだ。少し前に、半藤一利の昭和史や靖国問題などをちょっと読書した。
 渡部昇一は右寄りだとか、右翼だと言われていることは知っていたが、彼の書いた、歴史、政治関係のものは読んだことがなかった。上記の本を図書館で借りて読んだ。日清、日露戦争の背景、二二六事件の背景とその後の動きや、ホーリースムート法が日本を第二次世界大戦に突入させた、等々、松本清張の「昭和史発掘」を読み解きながら、「昭和史発掘」に疑義ありと、清張の共産党贔屓に触れ、立花隆の「日本共産党の研究」と対比しながら、昭和史を語っている。松本清張立花隆がこういう本を書いていることも知らなかった。私は、学生時代から、政治活動をしたことは一度もないノンポリだった。どちらかというと中道左派といったところだろうか。この本を読んで、渡部昇一に言わせれば、左翼系の学者や作家の影響を知らず知らずの内に受けてきたのかもしれないと思った。
 友人のYUTOさんはたしか社会学科だったのでこの方面には詳しいはずだ。今度、レクチャーを受けてみよう。
 いまさら、しつこく昭和史を勉強し直す気はないけれど、どちらにも偏らない中道の見地から、関連する面白い本があれば読んでいきたいと思う。