文藝春秋 季刊夏号 「日本人へ 私が伝え残したいこと」
文藝春秋の季刊夏号で、「日本人へ 私が伝え残したいこと」と題して特集が組まれた。「昭和史・かかる日本人ありき」、対談「半藤一利X保坂正康」、二大インタビュー:宮脇昭・柳澤桂子、特別読み物「日本を愛した外国人たち」等々、どれも読み応えがあって面白い。面白いと言うより、昭和の時代にこんな人たちがいたのかと、感心させられることが多かった。
今の日本を見ると、大分県の教育委員会の問題は言うに及ばず、右を向いても、左を見ても、はたまた、政治の世界を見ても嫌な話ばかりだ。多くの日本人が今の日本に幻滅と諦めを感じているのではないだろうか。
私を含む団塊世代前後の人間は、昭和史については、学校ではほとんど教えて貰ってこなかった。この本の中で、こんな立派な日本人、こんな素晴らしい日本人が、昭和の時代にいたということに、誇らしさを感じた。また、こんなにも多くの素晴らしい外国人が、日本の良さを讃え、日本を愛してくれたことが嬉しい。と同時に、外国人の愛した日本は、もはや残っていないのではないかと、危惧される。
日本の良さを取り戻さなければいけないと思うと共に、この本の中に書かれたような内容を、我々世代だけでなく、子供、孫の世代に“伝え残して”いかなければいけないと痛感した。