児の手柏&紅葉葵
今年の夏は連日の猛暑で、なかなか花散歩に出かけられていない。
木槿(ムクゲ)や百日紅(サルスベリ)が暑さに負けず元気な花の気を与えてくれている。買い物の帰りによく通る、見沼田んぼの中に紅葉葵が綺麗に咲いていたので、車を止めて写真を撮った。紅葉葵の隣に、名前は知らないが、見慣れた木(葉)の中になにやら変な形の白い花(実?)がたくさんついている。家人も見たことがあるようだったが、名前が思い出せない。
夕食後、家人がインターネットでしぶとく検索、ついに「児の手柏」と突き止めた。雌雄同株で雌花が白緑色という。私が撮影したのは雌花だと思うが、花から、実になりかかっているのだろうか、ちょっと形が異なる。
この木は町中でもよく見かける。葉の形は特長があるので私でも記憶があった。まさか、この木がこんな花を咲かせるとは思いもよらなかった。
Webの中に「奈良山の児の手柏の両面(ふたおも)にかにもかくにも侫人(ねじけびと)の徒(とも)」という歌が、万葉集の中にあることを紹介していた。この歌、裏おもてはっきりしないコノテガシワのように、どちらにもうまいこという腹黒い人間(侫人(ねじけびと))をそしる歌だという。
確かに、児の手柏の葉はどちらが裏か表かはっきりしない。会社勤めをしていたときには、児の手柏のような、あるいは平目のような人間が、えてして出世をしていた。私も一言多い人間だった(今もそうか!)ので、双方のバランスをとっての私の発言で、腹黒くはなかったが、好もしからぬ輩と思われたかも知れない。
忙しい現代人、山川草木(自然)からもっと学ばねばならない。 またまた、理屈屋Henry、脱線しました。
凛として真っ赤な花を楽しませてくれる「紅葉葵」が、暑さの中でなぜか、涼しげに感じました。