スペイン語学習その後

 次男夫婦と初孫が4月からメキシコのグアダラハラに駐在したのを機に、ラジオで「毎日スペイン語」の講座を9月まで6ヶ月間聞き続けた。月曜から金曜まで朝の8時からの15分間だ。
 もう少しやさしくて、テンポもゆっくりかと思いきや、なんと一通りの文法が盛り込まれていた。毎日、辞書を引きながらの予習は結構大変だった。ラジオを聞き始めるまでは、どんな言語かほとんど何も知らなかった。
 名詞、冠詞、形容詞が、男性、女性、単数、複数での変化があったり、点過去、線過去、直接法過去未来、接続法過去・・・・etc.なにやら、わかりにくい文法用語等が多く、それに応じて動詞も変化する。動詞の変化、活用は、それぞれの時制で細かく変わる。英語の不規則動詞の変化に比べると覚えなくてはならないことが多いと思う。旅行・観光に行くくらいなら、めんどくさい勉強をしなくても旅に必要な旅行会話のフレーズを丸暗記した方がいいのだろう。 たまたまテキストが難しい文法まで盛り込んであるので、ついこちらも投げ出すわけにも行かず、学習を続けた。学び始めてみると英語との共通点も多い。それもそのはずで、スペインはかってはローマ帝国の一部で、当時使われていたラテン語が時代と共に変化して今のスペイン語になった。フランス語、イタリア語、ポルトガル語ルーマニア語ラテン語から生まれた姉妹言語だという。
 小生、フランス語、イタリア語はわからないが似ている単語が多いことは勉強し始めて分かった。
 ご存知のようにスペインは大航海時代に海外にたくさんの植民地をもっていた。それらの地域では、独立国になった今日でも、スペイン語が使われている。ラテンアメリカではメキシコ、アルゼンチンを含む18ヶ国の公用語になっている。USAではヒスパニックという、メキシコなど、ラテンアメリカからの移民が多く、スペイン語人口が4,000万人を越えているそうだ。
 以前にも書いたけれど、私は辞書が好きで、自称“Buying Dictionary”最近は辞書を買うことはほとんどなくなっていたが、スペイン語辞書は「Spanish-English Dictionary」と「和西辞典」は購入した。テキストの中の単語を調べるだけでなく、昔聴いた「トリオ・ロス・パンチョス」の歌やその歌詞を思い出しながら辞書をくくるのも楽しいものだ。
 Los Angelesの「Los」は英語の定冠詞「the」に相当するものだから、日本人が「『ロス』に行ってきた」などというのは間違いだということは、私がLAに駐在してすぐに知った。カリフォルニアの南部の多くは、かつてメキシコの領土で、元々はスペイン人によって開拓されたが、1848年の米墨戦争の結果、ニューメキシコとともにメキシコからアメリカに1,500万ドルで割譲され、アメリカ領となった(同時にテキサスのアメリカ領有も確定した)。そのため、カリフォルニア州にはスペイン語由来の地名が非常に多い。
 San Francisco, San Diegoなどの「san」やSanta Barbara の「santa」が英語の「saint」であることは知っていた。しかし今回スペイン語をちょっと勉強し始めて、Los AngelesのLosは男性複数形の定冠詞、angelは男性名詞、Las VegasのLasは女性複数形の定冠詞、vegaは「肥沃な平原」という意味の女性名詞ということが分かった。
 スペイン語のほんの入り口に入っただけで、まだほとんど読めないし、話せない、だが、言語を学ぶことによって、その国の歴史、他の国との言語のつながりや文化などが分かって面白い。メキシコに行くまでに、もう少しスペイン語が理解できて、簡単な旅行会話くらいができるよう、もう少しスペイン語学習を続けていこうと思っている。