「対称性から見た、物質・素粒子・宇宙」(広瀬立成:BLUE BACKS:2006)

 益川、小林両氏がノーベル物理学賞を貰った。"空間の対称性、粒子-反粒子対称性の乱れ"(「CPの乱れ」)の理論的考察からクォークが6種類だというこ1972年に発表している。この考察が後にクォークの発見によって実証されてノーベル賞に選ばれたわけだ。 私がはじめて素粒子のことを読んだのは、湯川秀樹の「素粒子」(岩波新書:1869年)だった。まだ25歳位だった。その後、「物質の究極はなんだろうか」(本間三郎:講談社現代新書:1989年)、「素粒子の世界」(本間三郎:NHK出版:1997年)でクォークのことについて学んだ。そんなわけで益川・小林理論のCPの乱れというものがどんなものだろうかと知りたくなった。Webで検索しても意味が良く理解できるようなものはなかった。何か一冊うまく説明したものを読んでみようと、書店に並んでいた「対称性から見た、物質・素粒子・宇宙」を読んだ。 昔はもう少し理解できていたように思うのだが、歳で頭が硬くなっているのだろうか、この極微の世界、なかなか理解が難しい。 俗事を離れて、素粒子の世界、宇宙の世界に思いを馳せて遊びたいところだが、この世界、そう簡単に理解させてくれないし、遊ばせてくれない。 小林誠さんが書いた、「消えた反物質素粒子物理が解く宇宙進化の謎」も難しそうだが、この本に挑戦してみよう!