琵琶湖湖北観音巡り <その3>

    余呉湖は湖北とあってさすがに朝晩は冷え込む時期になっていた。朝6時に起きて、同室の方と湖の周りを散歩した。湖面から朝靄が立ち上りちょっと幻想的な雰囲気だ。湖畔で紅葉と湖面を水彩画で描いているグループのメンバーの女性もいる。
 グループのNさんはセミプロ級のカメラマン、バードを撮るのが趣味とかで、急遽、鳥を追っかけて賤ヶ岳に登ったそうだ。朝食時間の7時半に戻れず、8時の出発時間ちょうどに重たいカメラをかついで汗びっしょりで駆け下りてきた。このNさんが、先生の書く旅行記録に綺麗な写真を添付して編集してくれているようだ。
 2日目は、西野薬師堂(充満寺)の薬師如来立像、十一面観音立像を拝観した。この二仏も浅井氏の兵火で寺は焼失したが、村人に守られ薬師堂に安置されている。次に、行基が建立したという、黒田観音寺の千手観音立像を見に行った。
 赤後寺(しゃくごじ)は大きな鳥居がある。寺なのに?と思ったら、神社は鳥居をくぐって右側、まっすぐ石段を登ったところに赤後寺がある。寺といっても無住でここも村人80人ほどが2,3人ずつ交代で守ってきているという。聖観音立像、千手観音立像、どちらも立派な仏像なのだが、すすけて、手の先が無くなっている。痛々しい姿であるが、それだけに、歴史の重みと、村人に愛され、守られてきたという深みが感じられた。
 神照寺、知善院、大通寺、曳山博物館、長浜城を回って、琵琶湖湖北の旅を終えた。二日間密度の高い知的刺激に満ちた旅でした。