学習指導要領改訂:英語の授業

 平成25年から、英語の授業はすべて英語で行うということになったようだ。英語の学習にとっては良いことだろうが、教える先生には相当の負担だろう。英語をそのまま英語として理解するということは大切だ。しかし、日本人としては英文和訳、和文英訳が必要とされることも確かだ。英文和訳、英作文などの授業は継続するのだろうか。大学受験の英語はどうなるのかなどが気になるところだ。
 単語数も1800語になって中学の必須単語と併せて3,000語という。愛用したLongmanの辞書はすべての単語を2,000語で説明しているというユニークな辞書だ。だから、3000語が使いこなせれば、ほとんどのことが表現できるとも言えるわけだ。しかし、新聞や雑誌、ラジオのニュースを聞くとなると、3,000語ではとても足りない。私の高校時代は、大学受験の英語では10,000語憶えないと、英語でまともな点は取れないと言われ、懸命に10,000語憶えた。おかげで、今でもかなりの英単語は意味がわかる。
 そこそこの英語が聞き取れて、会話ができるようになるにはネイティブ・スピーカーの英語にできるだけ多くの時間接しないとなかなか難しい。私がLAに駐在して間もないころは、現地人の話す英語がほとんど聞き取れなかった。英文科出身の駐在員夫人たちも、駐在したてはこちらのしゃべる英語が通じなくて困ったという。
 これからの日本人が世界の中で働いていくには、英語がもっと使いこなせるようになる必要があるのは言うまでもない。しかし、それ以上に大切なのは、日本人として、しっかりとした、日本語が話せ、書けることと、日本の歴史、文化をを学ぶことだと思う。
 アメリカLAに44歳から7年間駐在して、そういうことを痛切に感じた。