バレエ「奇才コルプの世界」
渋谷のbunkamuraオーチャードホールにレニングラード国立バレエの「奇才コルプの世界」というバレエを見てきた。今まで、いくつかのクラッシックバレエは見てきたが、デュオというのだろうか、男と女、2人だけで踊るもの、1人で踊るソロはテレビでちょっと見ただけだった。今回、コルプをはじめ、何組かのデュオとソロを初めて見た。
人間の身体があそこまでしなやかに、力強く動き、演じられることに驚き、感動した。能のことはまだわかっていないが、西洋のバレエと日本の能を比較してみたくなった。能は動きが少ない。或いは静止しているように見える。能の姿が別の意味で肉体的に大変な訓練がいるともいう。バレエは能とは対極にある踊り、芸術だと思う。
数日前に、たまたま、ボリショイバレエのソリストになった日本人のバレエダンサー、岩田守弘の話をテレビの「プロフェッショナル−仕事の流儀」で見た。この番組を見て、バレエの世界のこと、その厳しさが少し理解できた。このテレビを見ていたので、この日のコルプのバレエが理解できた。
特別出演した、草刈民代がコルプと素晴らしいバレエを踊った。コルプのワイルドでメリハリのある動きとその動きを支える身体の美しさは目を見張るものがあった。草刈民代の踊りには、日本人の動きのしなやかさ、しめやかな色気さえ漂う。
最終ステージでは、現代創作バレエを見せてくれた。男と女、2人のこころの中をバレエで表現するのだが、解説を読んでいないと踊りからだけでは、何を表現し、言いたいのか、理解するのは難しい。
バレエも、能も、歌舞伎も、最高の芸術を理解し、感動するには、見る側の芸術的感受性も求められるものなのだと教えられた。
◆コルプの世界、及び、コルプについては、以下のURLをご覧下さい。
http://www.koransha.com/ballet/kolb_gala2009/index.html