卓球ボール談義

大学の卓球部のOB戦の合間、先輩、後輩で卓球ボール談義になった。卓球のボールは現在は、直径は38mm、40mmの2種類、重さは2.7gである。色は白と橙色とがあり、基本的にどちらを使用しても良い。周囲環境(照明、床、背景)、ユニフォームの色、卓球台の色によって見づらい場合はどちらかを選ぶことができる大会もある。
 その卓球ボールの公式認定球は今1個200円ほどする。セルロイドの半球を貼り合わせただけのものが何故200円もするのか。同じくらいの直径のゴルフボール(直径42.67mm)の値段、一個300円〜400円と比べても、かなり高いものだと思う。
 私が、真円度(まんまるさ)と反発係数の精度が要求されることは分かるが、材料費と製造コストを考えれば、100円ショップで3個100円位の値段が妥当なのではないかと言った。側にいた現役当時キャプテンをしていたAさんが、完全な球形を作ることは技術上難しいため、どの程度球に近いかでグレード付けされている。最も高いものは3スターと呼ばれ、最低ランクの無印まで4段階に分けられる。グレード分けは、ボールを坂路に転がしたときのずれの大きさで決まる。完全な球ならば坂路をまっすぐ下り、ゆがみが大きいほどずれが大きくなる。とのこと。通常、大会では3スターが使われる。たかがピンポン球、されどピンポン球であるのだ。
 とはいえ、これだけ製造技術の進んだ現在、そういう基準をクリアする事がそれほど難しいのだろうか。
 下手な私でも現役の頃は、作りの悪いボールは球が揺れてくることがあることは分かっていた。わずか2.7gのセルロイドのボールを回転をかけて、相当な時速で打ち返すわけだから、ほんのわずかな球の歪み、ひずみが打球に影響を与えることは理解できる。下手な私では、スリースターと一つ星の練習球の違いはほとんど区別できないが、世界選手権で戦うクラスになると、そういう微妙な違いが分かるのだろう。
 卓球の腕も大したものではないが、ゴルフはもっと下手だ。同じくらいの直径の、止まっているボールを止まっている穴に入れるのがそんなに難しいわけがない。しいて言えば、ゴルフの方が手元から離れた位置でボールを打つことが難しいのだろう。
 そんなわけで、ゴルフは真剣に練習したことがない。だからいつまで経っても、何回かに一回しか100を切れない。
 卓球も先輩から「もっと自分の練習をしたら強くなる」と言われたが、面倒見の良いHenry君、自分の練習は二の次で、“自分を犠牲にして!?”、女性と後輩の面倒を見た。
 我が青春の思いでの卓球、卒業して40年後の今も、直径38mm、重さ2.7gの白球と戯れる事ができることが幸せである。