書き初め、読み初め

「読み初め」のことを書こうと思って、はて、そういえば1月2日は「書き初め」の日、書き初めとはそもそもどういう習慣で、どういういきさつから行われてきたのだろうかと調べてみた。
 
 書き初め(かきぞめ)とは、年が明けて初めて毛筆で書や絵をかく行事。通常は1月2日に行われる。吉書(きっしょ)、試筆(しひつ)、初硯(はつすずり)などともいう。
 若水で墨を摺り、恵方に向かって詩歌を書く習慣があった。書く詩歌は「長生殿裏春秋富、不老門前日月遅」という漢詩がよく用いられた。もともとは宮中で行われていた儀式だったが、江戸時代以降庶民にも広まった。
 ウィキペディアで調べたら上記のような説明だった。そうか、書だけでなく、絵でも書き初めというのかと知った。遍理の達磨絵でもよかったのだ。というものの、今までに書も画も書き初めをした確とした記憶はない。小学生の頃一度位書き初めをした記憶がうっすらとある程度だ。来年はきちんと書き初めをしてみようと思う。
 
 読み初めというのは、いつから始めるものか、ウィキペディアにも説明はなかった。新しい歳の始めに読み始めるものをいうのだろう。去年の読み初めは「源氏物語」だったのだが、読み初めたものの、途中で浮気性が出てしまい、第2巻(全五巻)の途中でストップしてしまった。また始めよう。
 今年の読み初めは、「バウッダ」[中村元三枝充悳(さえぐさみつよし):講談社学術文庫
 副題に[仏教]とあるが、なにゆえわざわざ“バウッダ”なのかと気にかかって書店でページをくくった。序文に「バウッダ」はサンスクリットのBauddha=ブッダを信奉する人にちなんでつけたという。となれば、Henryもバウッダ!ヘンリー・バウッダでいいのだ!
 中村元はこの本は、いわゆる「宗教書」でもなければ「仏教書」でもないという。
 新約聖書に含まれる諸テクストが当初の数十年間にほぼ完了したのに比して、釈尊とその弟子達との言行を伝える唯一の資料である「阿含教典」は百余年(別説二百余年)間の口伝を経てようやく原形に整備されたという。さらに釈迦入滅後数世紀を隔てて、「大乗の諸仏」が登場し、大乗教典が大量に創作された。
 中国・朝鮮半島・日本・チベットなどに大乗仏教圏が広がり、他方、今日いっそう活発に東南アジア一帯が阿含教典の伝統を守っている。阿含教典とは簡単に言えば、小乗仏教のことで南伝仏教ともいう。一般的にはゴータマ・ブッダの直接の言行を伝えており、その伝統を守っているということのようです。詳しいことは、本を読んでいただくか、ウィキペディアなどでお調べ下さい。
 というわけで、この本、阿含教典から始まり、初期仏教のいろいろな方面からの解説と、初期仏教から大乗仏教への変化、発展の経緯などを詳しく説明している。仏教になじみの少ない方にはちょっと読みにくいかと思いますが、仏教全般を知るには、非常に信頼しうる仏教概説書であり、入門書だと思う。
 私も、原始仏典、初期仏教の本を多少読んできましたが、この本は仏教の誕生から仏教の全体像に至るまでわかりやすく書かれていると思う。なかなか読み応えがあるので、まだ1/3程残っている。またあらためて読後感想を書こうと思う。