危機管理セミナー:佐々淳行講演会

 1月17日にさいたま市主催の危機管理セミナーに参加した。この日は阪神淡路大震災から15年目に当たる。
 講師はテレビでもおなじみの佐々敦行さん。この佐々さん、元初代内閣安全保障室長だったことや、浅間山荘事件の時の総指揮官でこの映画の原作者だったことや、サリン事件など色々な事件に関わってきたということを今回初めて知った。
 今回は、第一部は「自然災害への処方せん」、第二部は「テロ、武力攻撃への処方せん」というテーマだった。
 自然災害については、阪神淡路大震災のちょうど一年前に起きたアメリカLAのノースリッジ地震との比較をしながら、アメリカ政府の対応と、日本の村山内閣、兵庫県自衛隊の対応の対応の違いなどの話だった。私はLAに駐在していたのでノースリッジ地震は体験した。FEMA(Federal Emergency Management Agency)の活躍は目の当たりにした。佐々さんは「日本は訓練されていない民族だ」という。自然災害においては、自助、互助(共助)、公助がある。公助の大切さはいうまでもないが、自助、互助の精神が重要だ。
 今の日本は無縁社会と言われている。防災会の活動を続けていて、自助、互助の活動を拡げるのはなかなか難しいが、そういう活動を通じて、少しでも無縁社会にならないよう努力したいと思っている。
 テロ・武力攻撃への処方せんについては、湾岸戦争クウェート侵攻、地下鉄サリン事件などついて触れた。現鳩山政権の外交、防衛政策を批判していた。一概に佐々さんの言うことには賛同できないが、「悲観的に準備し、楽観的に対処する」という考え方には納得した。9・11のテロの際は、佐々さんの次男がNY貿易センターの104階?にいて、真っ暗な階段を懐中電灯で照らしながら下りて、間一髪で助かったそうだ。 我が団地の防災訓練で煙中通り抜け体験の訓練をした煙にまかれると何も見えない恐怖を体験した。真っ暗な中で何も見えないということはかなりの恐怖だ。真っ暗な階段で日本人の持っていた懐中電灯で多くのアメリカ人が救われたという。携帯用の小さな懐中電灯を、常時手近なところに持っていることは、非常時に有効なことがわかった。
 この話に関連して「Negative Report」の大切さを訴えていた。Negative Reportというのは要は「異常なし報告」のことです。災害時だけでなく、常日頃から親・兄弟には「異常なし報告」をすることを習慣づけなくてはいけないという。
 私の家人からは「あなたは出かけたら最後、糸の切れた凧、携帯もつながらないことが多く意味がない」と言われている。「便りがないのは良い便り」と理屈を言っているが、これからはもっと「無事着いたよ」などの「異常なし報告」をマメにしようと反省した。

 佐々淳行さんのことはウィキペディアに詳しく説明されている。今現在80歳だがめりはりがあり、今までの色々な活動実績、体験をもとに話す内容には説得力があった。