「常陸の古刹と史蹟を巡る」研修旅行 <その4>


 二日目は、石岡市の峰寺山西光院を訪れた。この西光院、伝承によれば、平安時代初期の大同2年(807年)に、京都の僧、徳一大師が開山したとされている。
 当初は法相宗だったが、鎌倉時代には真言宗となり、その後、天台宗となった。本堂は急斜面の岩に多くの柱を立てる、「懸造」(かけづくり)または「舞台造り」と呼ばれる様式で建てられている。

京都の清水寺本堂に似ることから、「関東の清水寺」とも呼ばれている。茨城県有形文化財に指定されている。本尊は自然石の馬頭観音。大きな花崗岩が御本尊というか御神体になっている。
 清水寺に比べて大分小さい懸造ですが、ここから見る景色は広々とした田園風景で、京都の清水寺からの眺めと異なり、素朴な感じで素晴らしかった。
 境内に、像高5mを超える一木造の巨像の立木観音菩薩像が安置されている。直立して立つ体部にはほとんど抑揚がなく、立木をそのまま刻んだように見える。足下には台座の代わりに自然木の根を用いている。ちょっと円空仏的な雰囲気もある十一面観音像である。