新大久保散策

 妙齢さん3人に誘われて、新大久保に韓国料理を食べに行った。新大久保を降りてメインストリートに出ると、そこは既にハングルと韓流ブームの中にあった。一人の妙齢さんは韓国大好きで韓国には毎年のように行っている。韓国料理にも詳しく、新大久保にも何度か韓国料理を食べに来ているということで案内してもらった。
 通りにはキムチの匂いこそ無かったが、韓国料理店と韓流グッズの店、韓国の食料品マーケットなどが並んでいる。
 朝日新聞に掲載された「美名家」という韓国料理店に入る。ボリュームたっぷりのママさんが愛想よく迎え入れてくれた。マッコリと牡蠣入りのチヂミがうまかった。
 自動車が1台やっと通れる道路を入り、住宅地を散策した。住宅地の中の小さな公園にはいると、小泉八雲の銅像がある。由緒書きを読むと八雲はこの地で無くなったそうだ。八雲はずっと島根で暮らしたのかと思っていた。名前の「八雲」は、一時期当人が島根県松江市に在住していたことから、そこの旧国名令制国)である出雲国にかかる枕詞の「八雲立つ」にちなむとされている。ウィキペディアで調べたら、夏目漱石の前任の東京大学英文学講師を務めていた。早稲田大学の講師も務めたとのこと。このころ西大久保に住んでいたとのこと。
 本通りから脇道にはいると、いかにも韓国風の料理店の前に犬がおとなしく座っている。と、妙齢さんが「あらっ!、この犬、眉毛があるわ!」「犬に眉毛があるわけはないでしょう!そりゃ書いたんでしょう」と言っていたら、店の支配人が出てきて、ここの女将が書いたんですという。昨日の「ぶらタモリ」でこの犬が映っているという。この支配人、自分の店を案内してくれ、店自慢もしてくれた。韓国のりの実演、試食もさせてくれた。「烏鵲橋(オザクキョ)」という店だ。なかなか雰囲気のある店だ。今度新大久保に来たときにはこの店で食事をしよう。(ホームページはhttp://www.ozakyo.jpです。)
 家に帰ってから、昨晩録画してあった「ぶらタモリ」が取り上げていた“大久保”を見る。なるほど、冒頭にこの眉毛犬さん堂々と映っていた。
 大久保に「百人町」という地名がある。これは江戸時代の百人組鉄砲隊がこの町に住んでいたことによるという。下級武士が多く住み、その頃の細長い長方形の道路区画がいまもそのまま残っているという。今日歩いてみて、なるほどと実感した。
 この新大久保は韓国人だけでなく、インド、タイ、インドネシアなど東南アジア、中近東などの国からも来ている人が多いという。ビルの中に小さなモスクまであった。
 街路では、日本語、韓国語、中国語、英語での商店街の宣伝が流されている。都内の他の商店街にはないちょっとした異国情緒、雰囲気を味わったそぞろ歩きでした。