<お伊勢詣り その2>:齋宮

 初日は松阪から近鉄漕代駅(こいしろ)に行き、そこから田園風景の中、齋宮(さいくう)に向かう。齋宮のことは源氏物語や古代史関係の中で読んではいたが、どんなところで、齋王(さいおう=いつきのひめみこ)がどんな生活をしていたのか何も知らなかった。
 7世紀後半、天武天皇により定められたこの齋王制度は、およそ660年間続き、齋宮は9〜10世紀にかけて隆盛を極めた後、14世紀の半ば、南北朝の動乱のうちにその姿を消したという。
 1970年から本格的発掘調査が行われ、現在は往時の齋宮が1/10模型で再現されている。当時の隆盛はさぞやと思われた。
 齋宮歴史博物館で当時の齋宮の雅な世界を見せてもらった。斎宮跡休憩所で“伊勢うどん”なるものを初めて食べた。濃い味噌だれのつけ汁を混ぜ合わして食べる。仲間のうちの二人ほどは二度と食べたくないと言っていたが、私は珍しさもあって美味しく頂いた。
 休憩所の前にある「いつきのみや歴史体験館」で平安時代に行われていたという盤雙六(ばんすごろく)や貝覆い(貝合せ)を見学した。時間がなかったので、遊んでみることはできなかった。雙六は日本で最も古い盤上遊戯で、源流はインドだという。バックギャモンに似たような遊戯だ。ゲーム好きのHenryとしてはやってみたかった。
 伊勢市駅から外宮に行く。日本橋を出発してから28日目、やっと伊勢神宮に着いた。皆、感無量で無事到着を祝って手拍子をうった。
 二見浦の夕日を拝し、この日の宿「いろは館」に向かった。