<お伊勢詣り>その3:二見浦・夫婦岩→夫婦岩の妻の方は後妻であった。


 前日の夕方、日没前の夫婦岩を見た。二見浦には、20数年前、大阪在住の折、家内の両親、妹、甥達と一緒に伊勢神宮参拝の折に訪れた。夫婦岩だけは印象に残っていたが、二見浦神社や海岸の近くに鳥居があることは記憶になかった。
 夫婦岩からの日の出を参拝しようと、全員、朝4時起きで出かけた。修学旅行の小学生達が先生に引率されて大勢来ていた。夫婦岩が近くに見えるスポットは既に大勢の人たちがカメラを構えていた。
 4時52分の日の出時間だが、海岸線に雲がかかっており、なかなか顔を見せなかった。5時10分頃、雲間から太陽が顔を出し、思わず歓声が上がる。美しい日の出、日没は厳粛な気分にさせてくれる。日の出に関心が強く、日の出を見て神を感ずる心性は、古代から日本人の遺伝子に組み込まれているのだろう。
 仲間の一人が言った。「このように日の出、日没を崇めるのは日本人だけではなかろうか」。一神教が東洋以外の世界で勢力を拡大する以前は、人類はどの民族も太陽神を崇めてきたのではないだろうか。
 しかし海の水平線からの日の出、海に沈む太陽は、おのずと場所が限定される。マニラ湾の夕陽、富山の日本海に沈む夕陽、カリフォルニアの夕陽は綺麗だった。この日の日の出は先般の筑波山からの日の出と共に素晴らしい日の出だった。

 ところで、この夫婦岩の妻の方は後妻だと、伊勢の観光協会の人が教えてくれた。何年か前の台風で岩が流され、別の岩を持ってきたという。いつの台風かは聞き損なった。以前私が見た夫婦岩は先妻だったのだろうか。皆睡眠不足だったが、貴重な日の出遥拝を体験することができた。
合掌!