お伊勢詣り その6 猿田彦神社

 内宮参拝を終えて、おかげ横町の「奥野屋」で伊勢うどんセットの昼食を食べる。前日の伊勢うどんより美味しかった。
 おかげ横町では観光協会が手回ししたのか、あちこちの店で「お伊勢詣り歩き旅ご一行様」の張り紙がしてある。張り紙があると、何となく入って、お土産の一つも買わなくちゃいかんかなという気にさせられる。

 おかげ横町を抜けたところに猿田彦神社がある。ここは伊勢神宮の別宮ではない。日本神話によれば、猿田彦神はニニギの天降りの先導を終えた後、伊勢の五十鈴川の川上に鎮まった。倭姫命世記によれば、その子孫の大田命は天照大神を祀る地として倭姫命五十鈴川川上の地を献上した。大田命の子孫は宇治土公(うじのつちぎみ)と称し、神宮に玉串大内人として代々奉職したが、その宇治土公が邸宅内の屋敷神として祖神の猿田彦を祀っていた。明治時代に入り、神官の世襲が廃止されることになって、屋敷神を改めて神社としたのが猿田彦神社である。
 猿田彦神がニニギの先導をしたということから、交通安全・方位除けの神社として信仰されている。
 全国約2千社の猿田彦大神を祀る神社の総本社「地祗猿田彦大本宮」は鈴鹿市椿大神社ということになっている。
 神社にも色々な系統があるものだ。神社から古代史、記紀神話を読み直すのも面白い。