北鎌倉散策 <その1> 円覚寺参禅

 A塾の先輩、Oさんのお誘いで、3つのグループからの12名で鎌倉円覚寺での参禅と北鎌倉のお寺を散策した。
 北鎌倉8:30集合。我家からは6時13分の始発のバス。ゴルフ以外での5時起きは久し振りだ。夜型の小生としては、ちとつらい。
 円覚寺は何年ぶりだろうか、ほとんど記憶に残っていない。日曜の朝、8時半だというのに、境内には大勢の参拝客が、皆、足早に同じ方向に進む。どうも、同じ参禅会に参加する人たちのようだ。
 入り口で300円を払い、座布団と尻あてをもらう。坐禅のできない私は座椅子をいただき、坐禅会の会場「大方丈」に入ると、すでに多くの参禅者が座っている。坐禅の始まる時刻になると会場は超満員。全部で5,6百名は入っているだろうか。我々のようなシニアばかりでなく、20代の男女や、若い人も多い。
 ご承知のように、円覚寺北条時宗の開基、無学祖元の開山として創建された、臨済宗円覚寺派の本山で、鎌倉五山の第二である。坐禅の始まる前に、「諸悪莫作(しょあくまくさ)(しゅぜんぶぎょう)自浄其意(じじょうごい)是諸仏教(ぜしょぶっきょう)」という七仏通戒の偈からはじまり、礼讃文を維那(いの)の僧侶が読み上げるのに続き、参禅者が唱和する。さらに維那の「摩訶般若波羅蜜多心経」につづいて、般若心経を唱和する。
 般若心経は自分では時々唱えるが、お寺で大勢と一緒に唱和するのははじめてだった。唱え始めたら、なぜか、かたじけない思いがこみ上げてきて、涙が出てきた。伊勢神宮の御神楽を見たときと同じ感動だと思う。
 参禅会場にはいるときに「修養聖典」という簡略教典をいただいて、私も含め大半の参禅者はこの教典の中に書かれているお経を唱和する。しかし、半数くらいの参禅者は毎回参加しているのか、菩提寺臨済宗なのか、お経を暗記していてそらで唱えている。
 読経が終わると横田南嶺管長の法話が始まった。後でWebで検索して分かったのだが、何とこの若い管長、足立前管長から今年交代したばかりの45歳、和歌山県新宮市出身で、小さいときから参禅し坐禅の世界に目覚めたそうだ。その後筑波大に進み、在学中に得度し、87年大学卒業と同時に京都建仁寺僧堂で修行。91年から円覚寺足立大進老師のもと修行。99年に同寺僧堂師家に就任したという。
 この日の法話は、法衣の説明から、衣鉢を継ぐと言う意味、五祖弘忍から六祖慧能のどのように法衣が引き継がれたかという、興味深い話をされた。
 久しぶりに心の洗われる、清々しい朝を過ごすことが出来た。 <つづく>