北鎌倉散策 <その2> 円覚寺参禅 坐禅会

 法話がすんで10分ほどの休憩。希望者のみが残って参禅会が行われる。半数以上が残っていただろうか、向かい合わせに5列ほど座る。僧侶が簡単に坐禅の仕方を説明する。結跏趺坐が完全にできる人は少ないようだ。半跏趺坐と胡座の人が多い。私のように胡座も坐禅も組めない人は座椅子を使って座る。座椅子を使っている人は数人だけしかいない。
 せっかく円覚寺まで来たのだからと、座椅子をやめて、座布団と尻当てを使ってあぐらをかいたのだが、股関節が硬いため長く続かない。途中で、座椅子に戻る。
 僧侶の警策を叩く音が静寂の禅堂に響く。たしか、坐禅の姿勢が悪い人、眠っている人、身体が揺れている人等が、警策で打たれると本で読んだ記憶がある。姿勢の悪い私は当然打たれるかと思ったが、僧侶は打たずに素通り。どういう人が打たれているのかと観察すると、僧侶が自分の前を通るときに、叩いていただく前に、合掌しお辞儀(お願い)する。頭を低くして腕で脇を抱え、右肩、左肩と差し出すようにする。僧侶が警策で軽く肩を叩いた後、強く2回ほど、右肩、左肩と打つということが分かった。
 途中ちょっと休憩が入り、2回目の坐禅が始まる。僧侶は全員の所を回る。要領が分かったので、私の前に来たときに合掌してお辞儀をしたら、背中の出し方を指導してくれた。ビシッ!ビシッ!と2回づつ、かなりの強さで打たれた。背骨がずしんと響く痛さだったが、残る痛さではなく、背骨に一本“気”が通じたようなスッキリとした感覚だった。
 初めての坐禅体験、貴重な体験をした。只管打坐の心境には程遠いが、又機会をつくって坐禅体験をしたいと思った。
 この日の体験で日本人は、特定宗派を信仰していないとしても、決して無宗教ではないと改めて思った。
 仏教好きの遍理(Henry)としては、感動の読経と坐禅体験でありました。