最近、佐藤優の本を3冊ほど読んだ。「国家の罠」「インテリジェンス人間論」「ぼくらの脳の鍛え方 必読の教養書400冊」(立花隆+佐藤優:文春新書)、どれも面白かった。「ぼくらの脳の鍛え方」は立花隆の読書量とそのカバー範囲の広さはすごいなと以前から思っていたが、佐藤優も立花隆と並ぶすごい人だなと知らされた。立花隆が“知の巨人”、佐藤優を“知の怪物”とこの本の帯に表現している。まさに言い得て妙である。
佐藤優が同志社大学の神学科を卒業しており、プロテスタント派のキリスト教徒ということは知っていた。この「初めての宗教論 右巻」という本、書店で目にとまった。上下巻ではなく、右巻、左巻という2冊本、“見えない世界の逆襲”というサブタイトルも気になった。中身はキリスト教神学なのだが、序章「見える世界と見えない世界」、第一章「宗教と政治」、第二章「聖書の正しい読み方」、第四章「キリスト教と国家」、第六章「宗教と類型−日本人にとって神学とは何か?」といった章立てで、単にキリスト教神学だけを解説したものではない。哲学、人間学にもなっていると思う。佐藤優の実体験に基づき、現在の日本、世界の置かれた状況の中で、キリスト教神学、現在のキリスト教の置かれた状況、日本のキリスト教などについて分かりやすく書かれている。
キリスト教にも色々な派があるのは知っていたが、この本を読んで、プロテスタント、カソリック、ギリシャ正教、ロシア正教の違い、現代のキリスト教、アメリカのキリスト教、韓国、北朝鮮のキリスト教など、現代国際情勢の中でのキリスト教の姿など、今まで知らなかったキリスト教の世界、世界観を少し理解させてくれたと思う。左巻も読んでみたいと思う。
はじめての宗教論 右巻~見えない世界の逆襲 (生活人新書) (生活人新書 308)
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
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はじめての宗教論 左巻―ナショナリズムと神学 (NHK出版新書 336)
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