「日本語の古典」(出口仲美:岩波新書)

 以前、出口仲美さんの「日本語の歴史」という本を読んだ。「日本語の古典」どんな本だろうと書店でページを括ると、古事記日本書紀風土記から始まって、枕草子源氏物語方丈記平家物語徒然草はもちろんのこと、堤中納言物語今昔物語集、伊曾保物語(イソップ物語の450年前の翻訳)、好色一代男、蘭東事始(蘭学事始という本はなかった)、春色梅児誉美、など多くの古典を引用、紹介しながら、それらの古典の仲で使われている日本語(古語)の生き生きとした表現の魅力、楽しみ方を教えてくれる。
 国語、古典の苦手だった私も、この本を読むと、好色一代男、春色梅児誉美などが読んでみたくなった。
 高校時代は、枕草子源氏物語方丈記平家物語徒然草などを抜粋で読んだがあまり面白いとは思わなかった。年を重ねてはじめて理解できるようになった。ただ、この出口さんのような本で古典を紹介し、味わいかたを説明する授業があったら、もっと若いときから古典に興味を持てただろうと思う。
 私のように国語嫌いの、理系人間の若い人に是非読んでもらいたい本だと思う。