空海と密教美術展

 9月14日上野の平成館に行ってきた。平日でも40分待ちという。暑い中40分も並ぶのはかなわないので3時に行った。待ち時間なしで入れたが、館内は大変な人で、書の展示や、小さな展示物などは前に進んで見るのに苦労する。東寺金堂の立体曼荼羅21体の内、今回は8体が来ているという。
 立体曼荼羅を体感してくださいと言うが、やたらと人が多いのと、いかんせん8体だけではどうも曼荼羅の世界を感ずることは出来なかった。結構広い空間に展示されているのだが、人が多いためか、気韻生動を感じることができず、体感には至らなかった。
 忿怒像が多い中で、帝釈天騎象像のイケメンぶりが際だっていた。大威徳明王騎牛像、降三世明王立像や、持国天立像も素晴らしかったが、人混みで顔の表情などがはっきり見えずじっくりと味わうことができなかったのが残念だった。こういう時のために単眼鏡を買ってあったのだが、いつも持っていくのを忘れてしまう。
 密教美術も体感するしかないのだが、もともと密教というのが難しい。空海の書いた「聾瞽指帰(ろうこしいき)」 なども解説文なしでは理解できない。空海の思想、密教哲学を分かりやすく説明するような展示、曼荼羅の世界などを少しでも体感できるような工夫が欲しかった。
 映像や音響などを利用してのプレゼンテーションがあっても良かったのではないかとも思った。