臘梅

 相変わらず寒い日が続く。春はまだ遠い。サザンカが咲いているくらいで、この時期、牡丹のつぼみは膨らんでいるが、まだ咲いていない。そんな中で、臘梅が満開になっている。街中の臘梅はところどころにパラパラと咲いている。数年前に行った、秩父宝登山の山一面の臘梅の匂いと光景が懐かしい。
 花それぞれの遺伝子に基づいて、それぞれの時期にいのちの再生を繰り返しているのだと思うと、something great に合掌したい気持ちになる。
 三木成夫の「胎児の世界」(中公新書)を読んで、動物も、植物も、人間も36億年の生命の歴史を刻んできたことをあらためて、教えられた。植物、花も、ただ単に人間の目を楽しませてくれるだけでなく、人間にいのちの不思議、いのちの大切さを教えてくれているのだと思う。