高幡不動

 日野の高幡不動に行った。真言宗智山派別格本山という格式高いお寺で、関東三大不動と呼ばれていることをも今回知った。三大不動とは、征夷大将軍が支配していた、歴史の有る関八州における高幡山金剛寺(たかはたさんこんごうじ)、成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)、玉紇山總願寺(ぎょくとうさんそうがんじ)の3つの不動明王を本尊とする寺院の総称とのこと。更に、新撰組ゆかりの地で、土方歳三菩提寺になっている。
 日野市は新撰組ゆかりの地で、高幡不動の他にもゆかりの名所があり、5月12,13日には日野市あげての「新撰組祭り」が開催される。1週間後に行けばこの祭りも楽しめたのに残念なことをした。
 空海真言宗には多少興味もあり本も何冊か読んでいたが、密教の教義や仏像のことはよく知らない。Webと手持ちの本で不動明王のことを調べた。不動明王を中心に五大明王がおり、東に降三世明王(こうさんぜみょうおう)、南に軍荼利明王、西に大威徳明王、北に金剛夜叉明王が配置されているという。これらの明王、今までに訪れた寺で個別に見たことはあったが、それぞれがどのような明王であるかは詳しく見たことはなかった。
 不動明王サンスクリットでアチャラ・ナータ、動かないものを意味する言葉。そこから、「不動」となったのだろう。また、アチャラはヒンドゥー教でシヴァ神の別名という。五大明王ももともとヒンドゥー教の神々だったものが、密教によって次々に仏教にとりいれられようだ。
 私は親鸞道元の鎌倉仏教から仏教の世界を味わってきたが、ヒンドゥー教、キリスト教イスラム教など、釈迦の以前の宗教の影響、その後の原始仏教、南伝仏教ラマ教ゾロアスター教密教、中国仏教etc.、今さらながら、日本古来からの自然信仰(神道を含む)等、いろいろな宗教、が影響しあって、現在の日本の信仰、仏教があるのだなぁーと教えてくれる。
 観音信仰、地蔵信仰、不動信仰など、特定の宗派に属していなくても、こういう不動信仰等が地域に根強く民間信仰としていまも続いている。まさに“八百万信仰”の感がある。
 改めて、密教明王について勉強してみようと思った。