「日本の歴史 何が本当にすごいのか」(田中英道:扶桑社)
A塾の田中先生の近著を読んだ。今までに学校や通常の歴史物では語られていない視点、日本の美術、文学、絵画、仏像、建築、古墳などを見る視点を織り混ぜながら、日本の歴史を述べている。我々戦後世代は間違った歴史観で教育され、多くの左翼歴史家の本の影響に毒されてきたことを気付かせてくれる。

日本の歴史 本当は何がすごいのか

日本の歴史 本当は何がすごいのか

・日本には文字が生まれる前から、「形の文化」「口承文化」があった。それが縄文土器であり、埴輪、土偶前方後円墳の墳墓等である。
・日本には「自然信仰」「御霊(みたま)信仰」「皇祖霊信仰」が現代に至るまで脈々と受け継がれ、そして神仏習合を通じて、日本人の精神性を豊かにしてきた。
聖徳太子の「十七条憲法」は現代にも通じる民主主義にの根本である。
・607年の遣隋使、630年の遣唐使、日本からは大陸の文化、技術を受け入れるために何度か大陸に行っているが、むしろ、新羅から30数回数千人、渤海からは33回も遣日使が来ていると言う。
・753年に天皇から庶民に至るまでの4,516首もの歌を編纂した「万葉集」は世界に冠たる詩歌、文学である。
・「源氏物語」の素晴らしさ、すごさ。
以上の様な話を織り交ぜながら、日本の古代から歴史を述べている。田中先生、「新しい歴史教科書を作る会」の会長をされていたこともあり、今までの歴史教科書の間違い、改めるべきところについては確たるお考え、信念をお持ちである。日本の歴史を考え直す意味でも一読に値する本だと思う。息子や孫たちにも読ませたい本だ。