「ユーモアのレッスン」(外山滋比古:中公新書)

 私の読む本はどうも硬い本が多くなる。人間は柔らかいつもりだが、Unchikuを語ろうとすると、硬い本が多くなる。高校時代から、どうも小説より硬い本の方に興味が向いてしまう。とはいえ、疲れたときや、寝る前の読書には時には気楽な本も読みたくなる。
 そんなわけで、外山滋比古の「ユーモアのレッスン」が目にとまり購入した。humour、ユーモアかヒューマーか、humourの語源の説明から、各国のユーモアを面白おかしく紹介してくれている。
・老婆は一日にしてならず
・秋深きとなりは小便ながき人: ちょっと品がないが、前立腺肥大ぎみだったり、尿道結石だったりすると隣の方が気になる。女性は小便とは言わないだろうから、爺さん の話だ。
・下戸にご飯 :先輩 I さんの奥さんで、お酒を一滴も飲まないのにご飯だけで、良い気分で酒の席を楽しくさせてくれる素晴らしい妙齢さんがいる。私が、「貴女はご飯で酔える奇特な方だ」と申し上げた。

 岡倉天心がアメリカに留学していた時にアメリカ人から、「Which nese are you, Chinese or Japanese?」と聞かれた。天心、すかさず、「Which key are you, donkey,monkey or Yankey?」、天心なかなかやるもんだ。

・club=倶楽部、geometry=幾何、いずれも名訳だが、残念ながらこれは日本語訳ではなく、中国語訳だったそうである。
吉田茂が「あなたの健康、つやの秘訣は何ですか」と聞かれた。答えて曰く「人を食っているのです」
・小学生の子供がきれいな字で「ははたいせつ!」、お母さん感激!?、「歯は大切でした」 5歳の孫娘、ちゃんと読めるかな。
アイルランドのことわざ:「ガミガミ言われたけりゃ結婚しろ、ほめられたかったら死ね。」・・・うーむ!
 日本の俳句、短歌、川柳、落語、ことわざなどもユーモアのあるものが多い。この本の中でも、いくつかの俳句、短歌、川柳、ことわざ等
が紹介されている。あらためて、ユーモアという観点から、俳句、川柳なども読み直したいと思った。

ユーモアのレッスン (中公新書)

ユーモアのレッスン (中公新書)