“読み納め”「目覚める宗教 アメリカに出会った仏教−現代化する仏教の今」(ケネス・タナカ:サンガ新書)

目覚める宗教(サンガ新書)

目覚める宗教(サンガ新書)

ケネス・タナカという日系三世の方のこの本が書店で目にとまった。このケネスさん、1947年生まれ、スタンフォードや東大、UCバークレー等で学び、現在は国際真宗学会会長、日本仏教心理学会会長、仏教キリスト教学会理事等をつとめながら、日本とアメリカで活躍している。
 私がLAに駐在した時に、創価学会真如苑などがアメリカで活発に活動していることや、浄土真宗や真言宗の寺院があることは知っていた。その頃はどのくらいの仏教徒がアメリカにいたのだろうか。この本によると、1970年代半ばでは20万人ほどだったが、現在はおよそ350万人、17倍に増えたという。
 リチャード・ギアダライラマに師事し、仏教徒になったこと、また、スティーブ・ジョブスが1970年代半ばにサンフランシスコ禅センター所属の道場に通いながら座禅に励み、禅センターの恩師たちに強い影響を受け、一時は永平寺での修行まで考えた仏教共感者だったということは、この本を読むまで知らなかった。映画「セブンイヤーズ・イン・チベット」等が作られたのもこういう背景があったからのようだ。
 この他、歌手のティナ・ターナー、ジャズピアニストのハービー・ハンコックタイガー・ウッズなど仏教徒や仏教共感者も多い。また、ブディスト・クリスチャン(仏教に共感するキリスト教徒)も増えているという。
 この本を読んで、仏教各派のアメリカでの活動やアメリカ仏教界の活動、仏教徒、ナイトスタンド・ブディストなどが増えていることを知った。自称ブディストの遍理(Henry)Miuraとしては嬉しいかぎりだ。今年の読み納めでした。
*[机草子]ブログ・フェイスブックご笑覧御礼
 本年も小生のUnchikuの多いブログ、フェイスブックをご笑覧いただきありがとうございました。今年はあまり面白い記事が書けていなかったと思います。来年はもうひと工夫して面白いものを書きたいと思っています。今後ともお引き立ていただき、ご批評いただきます様お願い申し上げます。