「ヒッグス粒子の謎」(祥伝社新書:浅井祥仁)

 昨年7月4日、スイス・ジュネーヴで、「ヒッグス粒子」と考えてほぼ間違いないとされる新粒子の発見が発表された。ピーター・ヒッグスらが理論的に予言して以来、世界中の科学者たちが50年近く探しつづけた「最後の素粒子」がついに見つかった。ヒッグス粒子のことは、量子物理関係の本を読んで知ってはいたがどんなものなかは分かっていなかった。気になっていたのだが、表題の本がわかりやすそうだったので読んでみた。
 この手の量子物理学の関係の本、何冊読んでも分かったような気にはなる。しかし、理屈は分かったつもりでも、どうもすっきりした分かり方ができない。そもそも、宇宙誕生から10のマイナス10乗秒前後だとか、ヒッグス粒子の質量が126GeV(ギガ電子ボルト)などと言われると、とたんに私の頭脳では想像のできない世界に飛んで行ってしまう。
 北大物理学科を卒業した会社の同期のTさんは、今も物理や量子力学関係の書物を読んで勉強している。彼からも何冊か量子物理関係の本を紹介された。興味は今もあるのだが、シュレディンガーの方程式などいまだによく理解できていない。
 そんなこと勉強して、それがどうしたの?と影の声が聞こえてきそうだが、放射線重粒子がガン治療に使われている。このヒッグス粒子もこれからのエレクトロニクスや医療に新しい発展をもたらすのではないかと思う。
 ヒッグス粒子についてもっと分かりやすい本があればご紹介下さい。

ヒッグス粒子の謎(祥伝社新書290)

ヒッグス粒子の謎(祥伝社新書290)