千葉市美術館 房総の美しい仏像たち「仏像半島」

 A塾のKさん、Iさんの勧めで、千葉市美術館に行ってきた。「仏像半島」として、房総半島各地から選りすぐられた仏像が展示されている。百余体の大小の仏像、千葉県、あるいは房総半島にこれほどまでの仏像があったとは知らなかった。国宝級のものはなかったが、野趣に満ちた味わいのある薬師如来十二神将、十一面観音など間近に観賞できたのも良かった。

 波を彫らせたら天下一と謳われた、江戸時代の彫物大工、武志伊八郎信由の石堂寺多宝塔の脇間彫刻も展示されていた。確か、葛飾北斎が、この人の波の彫刻にヒントを得て、「神奈川沖浪裏」を描いたというテレビを見たことがある。メモをとっていないので記憶が定かではないが、北斎が見たのは千葉県のある寺の??間彫刻だったことは間違いないと思う。私はこの彫刻の実物を見て直観的に北斎の”浪”だと思いだした。
(Webで調べたら http://nanbou.catalog-photo.net/pg62.htmlのURLで確認できました。)

 私は、今は埼玉に住んでいるが、もともと千葉県人で大学を出るまで市川に住んでいた。大学も千葉だったので、千葉は曾遊の地でもある。家人も元は千葉県人、美術館のすぐ近くに通った小学校があると言う。家人は千葉市内に長く住んでいたので、今でもこの辺の街の様子を夢に見ると言う。
 帰りに千葉駅まで周辺を散策しながら歩いた。今はモノレールも走り、45年ほど前の当時と大きく様変わりしているが、所々昔の面影が残っており懐かしかった。

 学生時代の私は、仏像や寺には興味を持っていなかった。学生時代にもう少し房総半島の寺社を見ておけばよかったと思った。