「和漢診療学」(寺澤捷年:岩波新書)
高校時代の同級生、寺澤捷年さんが岩波新書から「和漢診療学」という本を出版した。彼は、千葉大学の医学部に入り、中枢神経解剖学を専攻し、その後、富山医科薬科大学の学部長、副学長を歴任し和漢診療学を研究、実践し続けてきている。
以前に彼の書いた「吉益東洞の研究」(岩波書店)をいただき読ませていただいたが、漢方医学には全くの部外者の私にはさすがに手強く、完読できていない。
今回のこの本も内容的には漢方医学の専門的な記述が多く、難しかったが、岩波新書というこもあり、永年の臨床経験を踏まえて、和漢診療学というものを分かりやすく説明してくれている。
最近の先端医療の技術には目を見張るものがある一方、2000年、4000年の歴史実績を持つ和漢の医療を見直し、現代の医療状況を考え直すにはいい本だと思う。