日向薬師弘明寺

A塾の勉強会で、金沢文庫での日向薬師の鉈彫りの薬師如来と、日光、月光菩薩を観てきた。円空の鉈彫り仏像とは趣が異なり、鉈彫りでも繊細さがある。楠の一木作り、木肌の赤茶色がまたいい。木に神、仏が宿る、木から仏を彫り出すという、古代からの自然信仰の表れだ。


金沢文庫から京急弘明寺駅に戻り、弘明寺に行った。寺伝によると、721年(養老5年)にインドの僧・善無畏が当地に結界を創り、737年(天平9年)に行基が観音像を刻んで一寺を建立したと伝えられ、行基を以って開基としている。この弘明寺の十一面観音も楠木の一木の鉈彫りで、日向薬師と似ている。今までに、向源寺の十一面観音などいくつかの十一面観音を観てきたが、それらのものと一味異なり別の趣があって良かった。