「親鸞と道元」(五木寛之と立松和平の対談)

五木寛之立松和平の対談本を読んだ。五木寛之は2009年に小説「親鸞」を書き、立松和平は2008年に「道元禅師」を書いた。立松和平さんは残念ながら2010年に63歳の若さで急逝された。この対談は亡くなる前の2010年に対談している。
 二人の書いた「親鸞」「道元禅師」はどちらも読んでいないが、親鸞道元に関するものは今までにそこそこ読んできた。二人が、親鸞道元についてどのような対談をするのか興味があって読んだ。
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amazonでの紹介は以下の通り。
自力の道元と、他力の親鸞。この両者は何が違い、何が共通しているのだろうか。 本書は、『親鸞』の作者・五木寛之と、『道元禅師』の作者・立松和平が、縦横無尽に語り合った迫真の記録です。 宗教と日本人、禅と念仏、教団と学門・・。両者の違いと共通点を導き出し、わかりやすく解説しています。 この対談を読むことで、現代を生きる指針に気づかされることも多いのではないだろうか。 親鸞道元のどちらに惹かれるか。そのことによって、自分がはたして何者であるかがわかるかもしれない。
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親鸞の、往相、還相の思想や、悪人正機説を二人がどのように解釈するか。また、親鸞の”尽十方無礙光如来”と、道元の”尽十方世界 是一顆明珠”は同じことを言っているのではないかとの指摘も面白かった。
 
 歎異抄は今までに何度となく読んできたが、また改めて読み直さなくてはと思っている。道元正法眼蔵立松和平がどこに行くにも持ち歩き読んでいたという。正法眼蔵は原文で読むにはしんどい本だが、私も折にふれて読んで行きたいと思っている。
 
立松和平さんにはもう少し長生きして、五木寛之との対談の続きを読んでみたかった。ご冥福を祈るばかりだ。

 

親鸞と道元 (祥伝社新書)

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