読み納め

 今年の読み納めは、年末にかけて、歎異抄を読んだ。阿満利麿の「歎異抄」を読み、「無宗教からの『歎異抄』読解」を読み直した。
二十歳の時に本多顕彰の「歎異抄入門」に出会ってから、いろんな方の歎異抄を読んできた。やはり最初に読んだ本多顕彰のこの本が印象深い。紀野一義の「私の歎異抄」も好きだ。これら三冊を読み直した。
 今まで気が付かなかったところもあらためて教えてもらった。歎異抄の中の親鸞の言葉はいつ読んでも鮮烈である。
「今生にいかにいとおしふびんと思うとも、存知のごとくたすけがたければ、この慈悲始終なし」「親鸞は弟子一人ももたずそうらふ」「善人なおもて往生とぐ、いはんや悪人をや」ほかにも、心に響くことばが数多くある。
 これからも折にふれて、歎異抄を読み続けていこうと思う。