パクチーの癖のあるニオイと味が好きでスーパーで時々買っていた。苗木がホームセンターで売っていたので、ベランダで鉢に植え替えて育てたら花まで咲かせてくれた。草なので花を咲かせるのは当たり前なのだが、パクチーの花を見た。
直径5mm程の小さい花なのだが、拡大してみると、素晴らしい造作で見事だ❗ 時々葉を少し摘んで香味として料理に入れて食べている。スーパーで買うと一束2,3百円で結構高い。鉢植えのパクチーは大正解でした。
玄侑宗久の「華厳という見方」を読んだ
玄侑宗久が華厳の仏教について語っている。講演会の内容を本にしたとのことでやさしく書かれている。鈴木大拙の書いた華厳の研究や大拙が天皇陛下に華厳仏教について進講したことや、中沢新一の「レンマ学」や量子力学と華厳仏教にふれている。150頁弱ほどの本だが、華厳仏教をベースに現代社会の問題やレンマ学、量子もつれ、AI、ユングの共時性、ボーアの暗在系と明在系、等について分かりやすく書かれている。
華厳仏教については、鎌田茂雄の「華厳の思想」大拙の「華厳の研究」他、数冊読んできた。深く読むには鎌田茂雄の「華厳の思想」がお勧めだが、華厳仏教を初めて読むのなら玄侑宗久のこの本が一番わかりやすくサラッと読める。
玄侑宗久は中陰の花で芥川賞を取った、臨済宗の現役僧侶で仏教書だけでなく、色んな本を書いている。南直哉との対談集も面白かった。
50歳を過ぎて、人生がひときは味わい深くなってから華厳経に辿り着いたと、この本の冒頭に書いている。
私が華厳仏教に出会ったのは53歳前後だったろうか。因陀羅網のたとえ、一即一切、一切即一、四法界、事事無礙法界等の考え方等がちょっと分かったような気になっていた。
80歳を前にして最近再度華厳経を読み直している折に、玄侑宗久のこの本に出会った。私の華厳経理解の頭を整理しぃてもらうにも分かりやすくいい本でした。
玄侑宗久の「日本人の心のかたち」という本を処分しようと思ったが、帯の文句の“無常とあはれの両行”、“身と心の不二”という言葉にひっかかり、再読した。荘子の両行、維摩の身心不二についてのわかりやすい解説が書かれている。この2つの言葉、考え方、何度読んでも、頭では理解できても、身体で理解し、納得し、また実践するのは難しい。
そこで、改めて、維摩経を再度読んでみた。維摩経もいろんな方が解説を書いている。今までに何度か読んでいる手元にある鎌田茂雄の「維摩経講話」を再読した。
仏教書や哲学書、素晴らしい随筆等は、ひょんな事で再読したくなることがある。そんな本との再会は古い友人に再会することに似て素晴らしいことだ。
そんなわけで、また出会いそうな、再会しそうな本は終活で簡単に処分しないほうがいいと思う。今までも処分して、 その本が廃版になっていて 残念な思いをしたことが何度かある。図書館で借りればと言うが、自分がかつて読み傍線を引きながら読んだものを再読するのも懐かしく愉しいものだ。
まだ、幸い小さい活字も読める、読める間は、再会する可能性のある本、再読したい本は残しておきたいと思うこの頃です。