インドマグロの箸?

 浦和駅前にPARCOがオープンした。開店して1週間たったのでそろそろ空いているだろうと行ってみた。平日の昼間だったが店内はかなりのにぎわいだった。丸善紀伊国屋Loft、無印等が入っているので、結構楽しめるショッピングセンターになっている。
 “使いまわしの?”妙齢さんたちと偶然一緒になり、Tea Time と思ったがどこも満員。地下の上島コーヒーがかろうじて空いていた。すぐそばに箸の専門店「門」というところがあったので覗いた。色々な箸が置いてあった。中に“インドマグロ”という五角、八角の箸があった。値段を見ると、8千円、1万2千円とかなりの値段。なかなか使い良さそうな風格のある箸だった。
 ところで、“インドマグロの箸”とは何ぞや?、美人の若い店員さんに聞いた。「この箸、インドマグロを食べるための箸ですか」
「いえいえ、マグロというのは“黒壇”のことで、インドマグロとは、インド産の黒壇のことです。」なるほど、マグロは“真黒”から来ているのだなと、納得した。
 年金生活者としては、いくら数寄者Henryとしても12,000円の「インドマグロ」は買わなかったが、以前ブログで紹介した、墨田区の江戸木箸、大黒屋の五角箸が3,150円だったので、この箸で妥協した。さっそく使ってみたが持った感触といい、使い心地といい素晴らしかった。
 家に帰ってインターネットで「インドマグロ」を検索したが、「インド鮪」しか出てこない。「黒壇箸」で検索しても「インドマグロ」の説明は出てこなかった。黒壇はインド、東南アジア柿の木科の樹木で硬く丈夫でいろいろなものに使われている。アメリカ産のパーシモンも柿の木科で、一昔前にゴルフのクラブのヘッドにも使われていたものだ。
 インドマグロからいろいろなお勉強ができました。
店頭に「お箸の禁じ手」というポスターが貼ってあった。インターネットで検索したら、この橋を買った店、「箸ギャラリー“門”」というHPで紹介されていた。「迷い箸」等の名前は知っていたが、作法としては知っていても、それぞれに名前がついていることは知らなかった。以下、コピペしましたのでご覧ください。

箸ギャラリー「門」のURL
http://www.gallery-mon.co.jp/hashi/kinjite.html

「箸使いの禁じ手」
・「刺し箸」 :箸を食べ物に突き刺して食べること。
・「箸渡し」 :箸ではさみあげた食べ物を箸と箸でやり取りをすること。
・「ねぶり箸」:箸についたものを口でなめること。
・「持ち箸」 :箸を持っている手で一緒に他の食器を持つこと。
・「涙箸」  :箸の先から汁をぽたぽた落とすこと。
・「叩き箸」 :箸同士を太鼓のばちのようにかんかんと叩くこと。
・「かき箸」 :食器のふちに口を当てて、料理をかき込んで食べること。
・「立て箸」 :ご飯の上にお箸を突き刺すことは仏箸と言われ、死者の枕元に供えるときだけです。
・「空箸」  :お箸を一度料理につけておきながら食べないで箸を置いてしまうこと。
・「受け箸」 :箸を持ったままおかわりをすること。
・「込み箸」 :口に入れた食べ物をさらにお箸で口の奥へ押し込むこと。
・「振り箸」 :箸先に着いた食べ物などを振り落とすこと。
・「移り箸」 :あれこれと卑しくおかずばかり続けて食べること。
・「こじ箸」 :食器に盛られたお料理をかき回して自分の好物を探し出すこと。
・「迷い箸」 :どのお料理から食べようかと迷って、料理の上であちこちと箸を動かすこと。
・「探り箸」 :食器の中のお料理をかき混ぜて中身を探ること。
・「二人箸」 :一つの食器の上で、二人一緒に同じ料理をはさむ。
・「寄せ箸」 :食器をお箸で手前に引き寄せること。
・「渡し箸」 :食事の途中なのにお箸を食器の上に渡しておくこと。当然、「ご馳走様」という意味になります。
・「指し箸」 :お箸で人を指すこと。
・「くわえ箸」:お箸を置かず、お箸から手を離して口にくわえたままにすること。
◆LAに駐在しているときに、多くのアメリカ人に箸の持ち方をわかりやすく説明して喜ばれた。最近の若い人は箸の持ち方、使い方が正しくできていない人が増えたようだ。懐石料理とは言わないが、きれいな日本料理を食べるときは、きれいな箸使いをしたいものだ。