筑紫哲也のご冥福を祈る
筑紫哲也が73歳で亡くなった。筑紫哲也のNews23は毎日見ていたわけではないが、「多事争論」など味のあるニュース番組のキャスターだった。惜しい人材をまた亡くした。
筑紫哲也は元朝日ジャーナルの編集長だった。私も20代の頃は朝日ジャーナルをよく読んでいた。その頃は毛沢東語録も読んだりしていたので、上司は私が左翼学生上がりかと若干心配していた。
ジャーナルは読んでいたが、筑紫哲也がどんな人でどんな文章を書く人なのかは全く知らなかった。
数年前に彼の書いた「スローライフ」を読んで、筑紫哲也がいろいろな活動をしていることを知った。
筋の通ったニュースキャスターがいなくなった。久米宏が「テレビってヤツは」という番組でTVにカムバックした。久米宏は筑紫哲也とは全く違ったキャラクターでニュースを茶の間に送っていた。今日の「テレビってヤツは」で語っていたが、筑紫哲也のニュース23、久米宏の「ニュースセンター」、両方とも、奇しくも、18年半続いたという。久米宏が「ご冥福を祈ると言えない。もう一度戻ってきて欲しい」と声を詰まらせながら、語ったのが印象的だった。
政治、経済が混迷を深め、TV放送のほとんどが堕落している今日、軸のぶれないニュースキャスターを失ったことは残念だ。プリンシプルを持った、新しい素晴らしいキャスターによるニュース番組を期待したい。