読初の机にあつき琉歌集  「日本文明とは何か」:山折哲雄


 1月3日の朝日を買ったら、一面の大岡昇平の「折々の歌」に「読初に机にあつき琉歌集」という俳句の説明がありました。書初め同様、読初(よみぞめ=読み初め)という言葉があることを知った。新明解には載っていなかったが、広辞苑には⇒ よみ‐ぞめ【読み初め】=新年に初めて書物を読むこと。とある。新年の季語にもなっているようだ。
 というわけで、皆さんの読初は何だったのでしょうか。私は、1月1日から営業している地元の紀伊国屋で「日本文明とは何か:パクス・ヤポニカの可能性」(山折哲雄角川叢書)を買って、正月みの読初にした。

 山折さん、ご存知と思いますが、仏教に造詣の深い宗教学の碩学です。彼の本はいろいろ読んでいます。最近では「涙と日本人」という本も面白かったです。上記の本は、21世紀の日本、世界を何とかしなくてはの思いから、仏教という世界を超えた次元から、いろんな視点を考察し、「弱い歴史」と「強い歴史」、究極の環境問題「飢餓」と「肥満」、“死者を許す文明と許さない文明”、日本文明のグローバル化、etc. 示唆的な多くのことを教えてくれています。

 ご興味ありましたら、是非ご一読を!

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山折 哲雄
昭和6年(1931)米国生まれ。東北大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。東北大学文学部助教授、国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター教授、白鳳女子短期大学学長などを経て、平成13年(2001)より、国際日本文化研究センター所長。専門は宗教学、思想史