京都紅葉散歩

もう里の秋も終わりに近づいた。先日、12月の2日に大阪出張の帰り京都の紅葉を散歩した。地下鉄の蹴上で降りて、大寧軒、金地院の庭園の紅葉を見てから、南禅寺にいく。平日だが紅葉のシーズンとあって、観光客も多い。煉瓦造りの琵琶湖疏水と周辺の紅葉との対比も絵になっていた。

永観堂に行った。ここも紅葉の名所と知らなかった。やはり紅葉は山と寺と水(川、池、湖)が三拍子揃うのがいい。和服の似合う妙齢の女性と一緒だともっと様になるのだが、こちらが禿爺では様にならないか。一人で気の向くままの紅葉散策もまた乙なものである。ここまで来て、philosopher HenryMiuraとしては、哲学の道を歩かないわけにはいかない。何十年も前に歩いたことがあるのだがほとんど記憶がない。哲学の道沿いの紅葉もまた、寺の紅葉とひと味異なり、をかしき趣であった。

哲学の道沿いに法然院があり、静かなたたずまいの中の紅葉もまた別の味わいであった。
 どこかで湯豆腐の昼食をとりたいと思いつつなかなか湯豆腐を食べさせる適当な店が見つからない。哲学の道沿いのこぎれいなレストランが目にとまった、メニューを見ると「西田幾多郎弁当」とある。西田ゆかりのレストランなのだろうか、ちょっと気になり入ってその弁当を食べてみたい好奇心もあったが、なにか、イージーなネーミングが気になりやめた。
 結局、銀閣寺通りの近くの小さな料理屋で湯豆腐にありついた。親子で経営している様子。店の中に備前、立杭の花器や焼き物が飾ってある。ちょっと目にとまった仏像のようなものが、素朴で妙に味がある。売ってもらえるかと女将に聞いたら、息子が作ったものなので聞いてみるとのこと。2000円で分けてもらった。若い店主は趣味で焼き物をやり、花も活けるという。やはりこういうところが京都なんだなと感心した。豆腐鍋膳もおいしかった。

 銀閣寺も何年ぶりだろうか。紅葉の時期に銀閣寺を訪れるのは初めてだ。銀閣寺の渋さと、紅葉のコントラストを見て、日本人でよかったなと感じた。外人観光客も多かった。LA、NYの紅葉も見たが日本の紅葉のような繊細さはない。外人観光客は日本の寺と紅葉を見て何を感じるのだろうか。