高野山参り その1

 初めて高野山に行った。世界遺産になったからというわけではない。3年前にも行ってみようと思ったが日帰りではきついのでやめた。関西在住の折に行っておけばよかったのですが、そのころはまだ空海真言密教の勉強が充分でなくあまりつよく行こうとは思わなかった。離れてみて恋しくなるということだろうか。同期会で米原に行く機会があったので、高野山の宿坊を予約した。
 難波から南海特急で橋本まで1時間、そこから山あいの旧坂をぬいながら極楽橋まで30分、そこはもう下界とは違う別世界だ。更にケーブルカーで5分ほど、45度くらいあるのではないかと思わせる急勾配だ。終点の高野山駅からバスに乗り換え20分程で奥の院についた。
 鬱蒼たる杉木立、どの木も樹齢数百年。その杉木立の中に大小さまざまな五輪塔が苔むして立っている。信長、光秀、謙信、信玄、光成、崇源院秀忠、千姫、浅野内匠頭、井伊掃部頭(これは読めなくて家人に馬鹿にされた)等の墓がある。死ねば皆仏で仲良く数百年同じ墓所に眠っている。タイムスリップしたような空間の中で、家人の説明を聞きながら歴史の勉強だ。一方で、大企業の物故者を弔う、真新しい立派な墓がそこここにある。
  真言宗の信徒の中ではまだ弘法大師が生きて眠っていると伝えられる弘法大師御廟をお参りした。
: ← 天徳院
 奥の院からバスに乗り、千手院橋で降り、根本大塔、金堂を見て、周辺を散策した。高野山というのは8つの峰(山)に囲まれた山上盆地で、まさに下界とは異空間の宗教都市という景観だ。金剛峰寺を中心とするたくさんの寺の中にちょこっと商店が混ざっているといった感じで、京都の寺と街とはだいぶ趣を異にする。観光地でもあるのだが、京都ほど俗化していないところが魅力的だ。一つ一つの寺(宿坊)が個性のある庭の紅葉や建物のたたずまいを見せてくれて楽しませてくれる。高野山大学の隣の宿坊の天徳院に向かった。
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