臘梅から学ぶ

 臘梅は「臘月」に由来するネーミングだとわかった。この臘の「にくづき」がむしへんのものもロウと読み、この字を使った「ロウ梅」、「蝋梅」と書くのも間違いではない。(残念ながら、この虫偏の字の「ロウ」は、ブログの本にするときに文字化けしてしまうので表示できない)。そこで、「ろう」の字を家にある辞書、国語辞典6、漢和辞典3、漢語辞典2、古語辞典すべて調べてみた。辞書によって説明はまちまちだ。
「臘」の字を調べるうちに色々なことが分かってきた。虫偏のロウは「ろうそく」からきているのだが、「ろうそく」「ろうばい」を引いてみると「蝋燭」「蝋梅」の字が出てくるのは、我辞書コレクションの中では、PCの中の辞書、広辞苑、漢字源、携帯電話の中の辞書のみで、あとは皆、虫偏の「ロウ燭」。今は、若い人の間で「キャンドル」がはやっているけれど、このロウソクをのんびり書いているヒマはないだろう。臘の字は旁のあたまを「わざわいのあたま」ということも分かった。未だに漢字の偏と旁の名称は言えないものが多い。この「わざわいのあたま」の下の口の中に「x」があるのですが、「口」の下が閉じていない「ろう」の字もあり、その字は俗字という。
「臘」の旁は、「猟」の旁と同じもので(リョウと読む)、“狩をする”意味からきている。「臘」の字も「蝋」の旁と同じ「リョウ」の旁を使う略字もあることを説明している辞書もあった。残念ながらPCの辞書では出てこない。
 高校の漢文の授業で赤点を取って単位が取れなかった苦い思い出がある。大人になってから漢詩や中国の古典を少し読むようになってから、漢文をもう少しまじめに勉強しておけばよかったと後悔した。そんなわけで、漢和辞典はめったに使わなかった。漢字そのものには興味もあり“漢字の話”などの本は数冊読んだことがある。漢字の世界も奥が深いものだ。だが、漢字発祥の中国が簡体字になってしまい、ちょっと味わいがなくなったのが惜しい気もする。ピンポンの字を「兵」の字を使って「丘」の下の「ハ」を「ノ」「ヽ」としたのは傑作だと思った。多くの字が簡単すぎてかえって、ますます読めない。
 「臘」の字に戻ろう。調べるうちに「臘八」という言葉に出会った。釈迦が大悟を開いた日:「臘月」(=十二月)の八日のこととある。旧暦の12月8日なのですが、今は新暦の12月8日に成道会として、禅院で釈迦の修行の跡方を偲んで自らの修行を策励して報恩に資するため、12月1日から12月8日の朝まで寝ないで坐禅を行ずるならわしとのこと。
 似非Budhist Henry君、12月8日と言えばPearl Harborしか知らない、「臘八」なんてとんでもない、惰眠をむさぼり、徹夜なんて、マージャンでしたことが一回あったくらいだ。
 悟りには程遠いHenryですが、「臘梅」さんからは色々と勉強させていただきました。
   「山川草木悉有仏性」、合掌。