ジェロさんの好きな日本語:「ちんぷんかんぷん」

 「英語でしゃべらナイト」でジェロさんが好きな日本語は「ちんぷんかんぷん」だと言っていた。
 待てよ!、「ちんぷんかんぷん」という日本語の語源はどこからきているのだろうかと気になった。広辞苑や他の辞書を調べたが、語源のことまでは出てこなかった。そこで、いつものようにネットで検索した。 
 「ちんぷんかんぷん」は「ちんぷんかん」と同じで「陳分漢」と書き、「陳分」は中国人によくある姓名。「漢」は熱血漢のように男性を意味する語。江戸時代、中国人の名前は読みにくく、解りにくかった。そこから世間の人が「ちんぷんかん」を「なにがなんだかわからない」という意味で使ったと言う。  もう一説に、中国には「チンプトン、カンプトン」という言葉があり、チンプトンは、聞いても解らない。カンプトンは、見ても解らないという意味から、見ても聞いても訳が解らない事に使われるようになったという説もある。 また「珍糞漢」「陳粉漢」「陳奮漢」などとも書き、儒学生が漢語をしゃべっているのを、ひやかしていったもの。と言う説もある。
 ジェロさんは語源までは知らなかったようだ。我々が何気なく使っている日本語、語源や由来を知らないで使っている言葉が結構多い。ジェロさんだけでなく、ハーバード卒のパックンや、「しゃべらナイト」に出ていた、オックスフォード卒の文化人類学の博士号を持つオーストラリア女性で浅草で芸者修行をしている「紗幸」さんなど、最近、多くの外国人が日本文化に興味を持って活躍している。彼らの言動から、改めて日本の良さを見直すことにもなっている。
 外国人に日本の良さや、日本語を教えられるということも情けないが、昔から日本人は外国人の書いた「日本論」「日本人論」「日本文化論」などの“日本もの”から教えられるところが多かった。
 ジェロさんには、薄っぺらで軽薄な今の芸能界に毒されることなく、忘れられた日本の良さや、日本のブルースを歌い続けて欲しい。同時に、多くの日本人が忘れている、美しい、品位ある日本語を語り続けてもらいたいと思う。