おおみやアートフルゆめまつり

 さいたま市大宮区がアートフルゆめ祭りというものを開催した。さいたま市が“住んでみたい都市ナンバーワン”を目指し、“市民提案型協働モデル事業”の一環として昨年から開催している。喫茶店でパンフレット見て知った。家人と友人を誘って出かけた。
 大宮駅周辺、氷川参道周辺の11カ所で色々なイベントが行われた。全てを見ることはできないが、7つぐらいのイベントを見た。トランペットの合奏はほとんどがシニア、中には70過ぎと思われるおじいちゃん、おばあちゃんもトランペットを元気に吹いている。演奏は今ひとつの所もあるが、こういうシニアが元気に演奏を楽しんでいる姿は羨ましい。

 スウェーデンの民族楽器、ニッケルハルパという楽器の演奏、浦和高校グリークラブ男声合唱はニキビ顔の少年たちが素晴らしいコーラスを聴かせてくれた。私の高校時代もこんな顔をしてたのだろうかと懐かしい思いだった。全国でも有名な受験校のせいか、天才バカボン風の顔をした少年も多かった。男子校なので色気のない生徒が多かった。茶髪もひとりもおらず、清々しいコーラスだった。
 ギターの弾き語りを聴いてから、Loftの前でやっているBlueWindというバンドのJazzを聞くつもりで、一宮通りを駅のほうに向かったら、Sako's BarというところでJazzのLiveをやっていた。覗いてみると小さなBarで客は一人も入っていない。カルテットが演奏している。ちょうど一休みしたかったのと、客がだれも入っていないのでは、Jazz愛好者としては演奏者に気の毒な気がして入った。

 我々が入ってからしばらくして、若いカップルが2組ほど入ってきた。Softly As In A Morning Sunrise, Dear Old Stockholm, Left Alone,をリクエストしたら3曲全て演奏してくれた。久しぶりの生演奏でお気に入りの曲を聴いてご機嫌でした。
 このあと、大宮山東光寺で声明を聞かせてくれるというので行ってみた。大勢の人が本堂に座って聞いていた。この寺の前は、車では何度も通っているのだが、入ったのは初めてだった。こんなに大きく立派な寺だとは知らなかった。曹洞宗の寺で格式も高いようだ。この日のために全国の曹洞宗の寺から僧侶が40人くらい応援に来ていた。京都の大学の妖怪クラブの学生がおどろおどろしい妖怪の扮装をして本堂脇の薄暗い部屋に10人程(妖怪も○人と数えるのかな)、それぞれの格好をしている。それぞれの妖怪さんに合掌をして、ぐるっと回ったところで、格式の高そうなお坊さんから「ごめんね」と書いた紙をいただく。最後にその紙を、寺の住職らしき方にお納めする。200人くらいの人が回り終わったところで、僧侶が本堂の仏様の前に座って、声明をする。妖怪さん達も一緒にお祈りをしているようだ。みんなが納めた「ごめんね」の紙を大僧正らしき人が火を付け、燃やして儀式が終了する。
 こういう儀式は初めての経験だった。懺悔式というようだが、どういう意味のある儀式なのかわよく分からなかった。
 最後はバークリー音楽院で声明も研究しているというドイツ人女性のサックスとJazz Pianistの演奏が声明と融け合って素晴らしい雰囲気だった。薄暗い本堂の中、灯りに照らされた、如来像と観音様を見ながら、声明とJazzがかもし出す“音楽”を聴くという貴重な経験をした。
 京都、奈良などでは有名な寺院でお経とJazzとか、お寺でのJazzコンサートが行われていることはだいぶ前から知っていたが、こんな身近な寺で、声明+Jazz+妖怪という“儀式?”に参加できて楽しかった。