鯨の唐揚げ

 最近は鯨の捕獲禁止で鯨を食べることがほとんどなくなった。貧乏魚屋で肉があまり食べられなかったHenryは、店で売っている鯨の南蛮漬けや鯨の刺身などを食べた味が忘れられない。
 高校に入って、規律のゆるい学校だったので、昼飯は友人と錦糸町の駅の近くまでよく行った。両国よりの所に「くじらや」というくじら料理の店があって、くじらの唐揚げ定食がたしか500円くらいで食べられた。くじらは牛肉よりもカロリーが高く良質のタンパク質だということをその頃から知っていた。高校生のころまで、牛肉のステーキなどは食べた記憶がない。育ち盛りのころ、身体は動物性タンパク質を求めていたのだろう。くじらの肉がとても美味しく感じられた。
 スーパーではくじらを見かけることはほとんどない。よく行く新都心のIYDには明治村という食品専門店があり、そこに魚屋が2軒ある。ここの魚は新鮮で値段も安く、くじらも毎日ではないが売られている。数は少ないのだが、あまり買う人がいないのかいつも残っている。
 買って帰り、薄く一口大にスライスして、片栗粉をまぶし、唐揚げにする。懐かしき青春時代を思い出しながら、揚げたてをつまみながらのビールもまたよしであります。