「知っていそうで知らないトランペットの魅力」


 友人からチケットを頂いて朝日カルチャー講座に行ってきた。トランペットといえばルイ・アームストロングとかニニ・ロッソなどといったプレーヤーの名が浮かぶ。クラッシック畑のトランペットのことは何も知らない。
 この日は東京芸大を出て、東京フィルの副主席奏者もつとめ、94年のプラハの春国際音楽コンクールで特別賞などを受賞している神代修(くましろおさむ)さんというトランペットの実力者のお話と演奏でした。
 現在の形のトランペットはたかだか50年の歴史しかないという。
古代から大腿骨をくりぬき穴を開けたりしたものを使って仲間への合図に使ったのが、トランペットの原型の始まりらしい。5500年前のメソポタミア文明時代には既に軍隊用として使われていた。 また、ツタンカーメンの墓から60cmのものが2本発見されたものが、現存するもっとも古いものだという。
 バッハ、ハイドンヘンデルの頃までのトランペットは、ナチュラルトランペットといって、今日のようなバルブがついていなかった。そのため、複雑なメロディーや音は出せなかった。
 産業革命が起きて、炭坑に空気を送るために考えられたバルブからヒントを得て、トランペットにバルブをつけてすべての音階が演奏できるようになった。
 日本へトランペットが入ってきたのは秀吉の頃だろうといわれているが、記録が残っているのは、江戸末期のペリー上陸の時だそうだ。
 いろいろなトランペットを聴きながら、上記のような講義を受けた。最後に大澤壽人(おおざわ ひさと、1907年8月1日 - 1953年10月28日:兵庫県神戸市生まれの作曲家、指揮者)という方の作曲したトランペット協奏曲を聴かせてもらった。ちょっとジャズっぽいところもあっていい曲だった。
 大澤壽人という人は、当時の日本クラシック音楽家としては、画期的な作品を多数残したが、没後50年近くたって片山杜秀と藤本賢市が楽譜を遺族宅で発掘するまで、ほとんどが忘れ去られていたそうだ。神代さんも大澤壽人の息子さんから楽譜をコピーさせていただき。この曲を演奏するようになったという。
 トランペットのことが色々勉強になりました。Jazz好き、HenryとしてはJazzのトランペットの話も聞きたいと思った。