「赤めだか」(立川談春)
昨年の4月に発売されて話題になった「赤めだか」が読みたくなった。単行本を買うほどではないかと、図書館のネット予約で半年前に申し込んでいた。昨日やっと入手した。300ページ弱、面白くて3時間ほどで一気に読んだ。
立川談春はテレビでちょっと顔を見た程度でほとんど知らなかった。ここ1,2年、立川談志のTVや、NHKラジオの「新・話の泉」を聴いて、あらためて、談志の凄さを認識していた。この「赤めだか」、立川談春の落語修業の話なのだが、談志を語っているというので読んでみたわけだ。
この本の中でも紹介されている談志の言葉がいい。「落語とは人間の業の肯定である」などは宗教家の言葉にも思える。「修業とは矛盾に耐えることである」、これはサラリーマン修業や、夫婦関係にもあてまる。
この本、講談社のエッセイ賞もとったという。噺家の文章だけに切れとリズムがよく、話の展開が面白い。兄弟子のためしてがってんの立川志の輔、弟弟子の立川志らく、などとの話もなかなか聞かせる。
立川談志は1936年生まれ73歳だ。最近の談志の声は、喉頭ガンかポリープのせいか分からないが、最近とみに聞き取りづらいのが痛ましい。私の好きな「笑点」を初めて初代司会者になったのが談志で、初代のメンバーに圓楽、歌丸等がいたわけだ。
今日のブログを書くに当たって、ウィキペディアで談志、談春、志の輔、志らくなどを調べてみた。たけしとの関係や、色々な芸能人、著名人が出てきて読んでいると飽きない。
「赤めだか」に戻るが、御用とお急ぎでない方は、“業を肯定する”この本で“談志イズム”を楽しまれると、頭のリクリエーションになると思います。
この本を読んで、談春の落語、「芝浜」や「包丁」を見たくなった。そして、あらためて、談志の話を聴きたくなり、談志の「現代落語論」などの本も読んでみたくなった。